金価格が歴史的高水準にある2026年、大量の売却を検討している方も多いでしょう。ただし、一定金額以上の売却には確定申告が必要になる場合があります。この記事では申告の要否・計算方法・節税ポイントを分かりやすく解説します。
誰が確定申告をする必要があるか
金・プラチナの売却益は「譲渡所得」として所得税の課税対象になります。ただし全員が申告義務があるわけではなく、売却益が一定額を超えた場合に申告が必要になります。
| ケース | 申告の要否 |
|---|---|
| 売却益(売却額 − 購入額)が年間50万円以下 | 原則不要(特別控除の範囲内) |
| 売却益が年間50万円超 | ✅ 確定申告が必要 |
| 1回または年間200万円超の売却 | ✅ 支払調書が発行される(税務署が把握) |
| 給与所得者で売却益が20万円超 | ✅ 確定申告が必要 |
| 購入時の価格が不明な場合 | 売却額の5%を取得費として計算可能 |
💡 ポイント:「売却額」ではなく「売却益」で判断
申告が必要かどうかは「売却額」ではなく「売却益(売却額 − 取得費)」で判断します。例えば100万円で売却しても、80万円で購入した金であれば利益は20万円です。
支払調書とは?200万円ルールを解説
買取業者は、1回または年間で200万円を超える買取を行った場合、「支払調書」を税務署に提出する義務があります(古物営業法・所得税法による)。
これは業者が税務署に「この人にこれだけ支払いました」と報告する書類です。税務署はこの情報をもとに確定申告の有無を確認できます。
支払調書が発行されるとどうなる?
- 税務署があなたの売却事実を把握する
- 確定申告をしていない場合、「お尋ね」が届く可能性がある
- 無申告が発覚すると、延滞税・加算税が追加される
譲渡所得の計算方法と具体例
金・プラチナの売却益は「譲渡所得」として計算します。
課税される譲渡所得 = 売却額 − 取得費 − 譲渡費用 − 特別控除50万円
所有期間5年超の場合は、上記の計算結果をさらに½にする(長期譲渡所得)
計算例①:5年以上保有していた金を売却
📝 ケース:K24インゴット 100g を150万円で売却(購入価格80万円・6年前に購入)
計算例②:5年以内に購入した金を売却
📝 ケース:金アクセサリー複数点を合計80万円で売却(購入価格20万円・2年前に購入)
💡 取得費が分からない場合は「売却額の5%」で計算
購入時のレシートや証明書がない場合は、取得費を「売却額の5%」と見なして計算できます(概算取得費)。ただし実際の購入費用が明らかに5%を上回る場合は、実費で申告した方が有利です。
節税のポイント3選
① 取得費の証明書類を確保・保管する
購入時のレシート・領収書・ジュエリーショップの証明書などを保管しておくことで、取得費として認定されます。取得費が高いほど課税される所得が減ります。
② 5年超保有で税負担が約半分になる
所有期間が5年を超えると「長期譲渡所得」として扱われ、課税額が約半分になります(½課税)。急いで売らなくてもいい場合は、5年目以降を狙う選択肢もあります。
③ 他の損失と損益通算する
同じ年に他の資産売却(不動産・株式など)で損失が出ている場合は、損益通算により課税所得を減らせる場合があります。ただし金融商品(株式等)の損失との通算には制限があります。税理士への相談を推奨します。
申告の流れ(手順)
- 売却記録を整理する 売却日・金額・業者名・品目・重量を記録。買取業者から発行される「買取明細書」を保管しておく。
- 取得費を確認する 購入時の領収書・証明書を探す。なければ売却額の5%で計算。
- 譲渡所得を計算する 上記の計算式で課税される譲渡所得を算出。50万円の特別控除・所有期間の確認を忘れずに。
- 確定申告書を作成する 国税庁の「e-Tax(電子申告)」または紙の申告書で作成。「分離課税の譲渡所得」ではなく「総合課税の譲渡所得」として記入する(貴金属は総合課税)。
- 申告・納税する 申告期限:翌年2月16日〜3月15日。e-Taxは24時間対応でおすすめ。税額が発生する場合は期限内に納税。
よくある質問(FAQ)
Q. 宝石(ダイヤモンド等)の売却も同じ計算方法ですか?
Q. 相続で受け取った金を売却した場合はどうなりますか?
Q. 会社員(給与所得者)です。いくら以上で申告が必要ですか?
Q. 税理士に頼むとどのくらいかかりますか?